2031人が本棚に入れています
本棚に追加
「すごい困ったやつがいるんだが、結婚してくれないか」
三つ上の幼なじみ、滉二に呼び出されたと思ったら、急にそんなことを言われた。
そこで頷くやつを見てみたい、と晴乃は思う。
「お前、就職先がなくて困ってるんだろ?」
人はそのような理由で、すごく困ったやつと結婚しなければならないものでしょうか?
「心配するな。
男の俺が見ても、おおっ、と思うようなイケメンで。
お坊ちゃんだ」
そのような条件で全然相手が決まらないのは一種のホラーではないですかね?
「頼む。
どんな見合い相手にも断られるんだっ」
「絶対に嫌っ」
と晴乃は思わず立ち上がる。
個室でよかった、と思いながら。
最初のコメントを投稿しよう!