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茜さんも…?
きっと3人共、育児や仕事、宿題の合間に折ってくれたんだろうな。
退院したら、山村亭に礼を言いに行った方が良いかもしれねー。
「綺麗だろー?俺、鶴の折り方、覚えたぜー!」
「ああ。こうして見ると、立派なモンだな」
「ふふっ。ありがとう。後でお母さんも来ると思うからビックリすると思うわ。じゃあ、私、用事があるから、もう行くけど…」
雅は、そう言うと、俺の枕元まで来た。
愛しそうに前髪を掻き上げられる。
そして頬にキスされた。
「検査の結果が出る頃、又、来るから…。それまで安静にしててね?…博史は、どうする?」
博史も、4月からは中学生だ。
家と病院の行き来は、もうそろそろ1人で出来ると雅も思っているらしい。
「オレ、宿題で訊きたいことがあるから、祖母さんに訊いてから帰りたい」
高校も冬休みに入ったとはいえ、教師は仕事があるらしく、学校へ、香澄も時々、出掛けている日があるのか、見舞いに来るのが、遅い時がある。
今日も多分そうなんだろう。
香澄の負担をこれ以上、増やさねー為にも、検査結果が悪くないと良いんだが。
「わかったわ。でも暗くなる前には帰って来なさい」
「わかってるよ、母さん」
博史のちと不満気な返事にも構わず、雅は荷物をまとめた。
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