その目(1月7日)

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「ミツキといったかしら。最初の被害者」  それは先日殺されたこの店の従業員(ストリッパー)の名前である。 「これは公にはしていない情報よ。彼女の時も眼球が片方送りつけられたの。当時の同棲相手にね」  ブラッドが微かに唇を噛む。 「それだけじゃないわ。翌日には、指。しかも10本全部ね。3日目には足の爪。これも10枚。4日目には切断した左胸を送ってきたわ。そして……」  そこで樹楽(ジュラ)がヒッと悲鳴をあげた。むきだしの両腕を抱えてブルブルと震えている。 「樹楽とミツキは同僚だったんだから」 「言い方ってものを考えてあげてよね」  双子が樹楽の頭や肩を撫でて宥めてやりながら、非難がましく刑事を睨む。 「そして、何? 5日目は?」  ドクター咲良が身を乗り出す。  こちらは恐怖や恐れよりも好奇心が強いか。 「5日目は、心臓よ」  吐き捨てるように言って、女刑事は煙草をもみ消した。 「毎日送られてきたの。受取人は恋人だったり友人だったり、街に住む兄弟だったり。送る方法も様々だった。小包だったり、庭に落ちてたり。5回とも違ったわね。あら、失礼」  突然鳴り響いた着信音に、実は自分も肝を冷やしたのだろう。  ガーネットが震える手で携帯を取り出した。そのまま背中を向ける。
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