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突然こんな事態に放り込まれて、皆戸惑いを隠せない表情だ。
しかも、ここにいる全員が容疑者だって?
「勘で犯人扱いされちゃたまりませんよ」
Kが皆の意見を代表して口にした。
──もっともな反応っスね。
レオがうんうんと頷く。
直後、背後にガーネットの殺気を感じて、頬を引き攣らせた。
その脱色頭を容赦なく殴ってから、ガーネットは続ける。
「アタシが関係者にこんな事まで話すのには理由があるわ。この中に犯人が居る。ここに居て、今この瞬間も楽しんでいる。犯人はそういう奴よ。明日からも何か行動を起こすわ。切断した指や爪を送る為に動くはず。だから、互いに監視し合ってほしいのよ」
そんなこと言われても……、と樹楽が首を振った。
ちょっと不愉快かな、と咲良も表情を曇らせる。
そんな中、Kは沈黙を守った。
視線は兄に注がれている。
その巨きな体が痛々しいくらいに激しく震えていることを他の誰にも気付かれないよう、弟は密かに祈っていた。
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