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声を合わせて入って来たのは店の看板ウエイトレスである双子のライム・ライトとレモン・ライトの二人だった。
一卵性双生児で全く区別がつかない。
髪を蛍光黄緑に染めた方がライム。蛍光黄色の方がレモンということだ。
クルクルとよく動く好奇心の強そうな目が印象的な二人である。
「遅いですよ、ライト姉妹」
Kが声を荒げた。冗談のようだが、店の連中は彼女達をこう呼ぶ。
「また遅刻ですか。遅れた分、給料から引きますから」
えーっ、と双子は抗議の声をあげた。
「あたしたちずっと走ってきて」
「そうですよ。もうクタクタで」
息つく間もなく喋り出す。
「あ、ブラッドさん。小包ですよ」
「店の前で宅配の人に渡されたの」
え、オレに?
双子の早口に圧倒されていたブラッドがぼんやりと顔を上げる。
彼女達に手渡されたのは、小さなダンボールの箱だった。
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