14人が本棚に入れています
本棚に追加
軽い。宅配のラベルが貼ってあるが、雨に滲んで文字は消えかけていた。宛名は読めるが、差出人の所は分からない。
「な、何だろうか」
助けを求めるように弟を見やる。
開けてみれば? 目で促され、ブラッドは梱包のガムテープを剥がした。
中には丸められた新聞紙が詰められている。
「何ですか、コレ?」
「瓶が入ってますよ」
双子が箱を覗き込んだ。
彼女達の言う通り、新聞紙の詰められた箱の中央にはインスタントコーヒーの空瓶が入っていた。ブラッドはそれに手を延ばす。
不吉だとか、不安だとか──何の予感もなかった。
瓶の中にドロリと転がるモノ。それを見て、彼は悲鳴をあげる。
「これは……」
Kが絶句し、双子が叫ぶ。
眼球に違いなかった。
人間の眼。
薄緑の眼球が、瓶の中からブラッドを見返していた。
「カンナ……?」
男は呻く。誰かが笑う声が、頭の中に響いた。
※ ※ ※
最初のコメントを投稿しよう!