その目(1月7日)

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 軽い。宅配のラベルが貼ってあるが、雨に滲んで文字は消えかけていた。宛名は読めるが、差出人の所は分からない。 「な、何だろうか」  助けを求めるように弟を見やる。  開けてみれば? 目で促され、ブラッドは梱包のガムテープを剥がした。  中には丸められた新聞紙が詰められている。 「何ですか、コレ?」 「瓶が入ってますよ」  双子が箱を覗き込んだ。  彼女達の言う通り、新聞紙の詰められた箱の中央にはインスタントコーヒーの空瓶が入っていた。ブラッドはそれに手を延ばす。  不吉だとか、不安だとか──何の予感もなかった。  瓶の中にドロリと転がるモノ。それを見て、彼は悲鳴をあげる。 「これは……」  Kが絶句し、双子が叫ぶ。  眼球に違いなかった。  人間の眼。  薄緑の眼球が、瓶の中からブラッドを見返していた。 「カンナ……?」  男は呻く。誰かが笑う声が、頭の中に響いた。  ※  ※  ※
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