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変貌する体
ひとつ、またひとつと呪いを集めるソールであったが、魔王の呪いは彼女の体を蝕んでいく。
体に封じた呪いが増えるのに比例して、ソールは人間の形から魔物の形へと変質していった。
角が生え、牙が伸び、爪が鋭利になり、大きな瞳がギョロギョロ動く。
鱗が皮膚を覆い、体は大きく膨れ上がり、体重を支えきれず二足歩行から四足歩行へ。
愛らしい顔は火蜥蜴のように成り果て、言葉は片言で、気を抜けば吐息には毒や炎が混じる。
そして人々はそんなソールを恐れた。
「きゃあっ! 魔物よ、魔物がやって来たわ! 自警団を呼んでっ!!」
叫び、
「あっちに行け化け物めっ! これでも喰らえ!」
石を投げ、
「一斉に魔力弾を撃ち込めっ!!」
全力で殺しにかかる。
かつて魔王を倒した勇者一行。その一員である魔法使い・ソールと目の前の化け物が同じ存在であるとは誰も思わなかったのだ。
ソールの身も心もボロボロに傷ついていた。しかし彼女は呪い集めの旅を決してやめようとはしなかった。
呪いが無くなり、真に平和となった世界。それが彼女や勇者が懸命に目指した世界なのだから。
彼女の旅は108の呪いを集めるまでは決して終わりはしない。
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