母親からの手紙

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母親からの手紙

そんな彼女に、ある日一通の手紙が届いた。 その手紙は薄いクリーム色で、少し年季が入ったような柔らかな色合いをしている。母親からの手紙だった。 朱莉の母親の病気が進行し、もう長くはないことを彼女は知っていた。 手紙を読み進めると、最後の一文に目が止まった。 「最後にもう一度、ただいまと言ってほしい」 そう書かれていた。その下には、小さな押し花が貼られている。それは、朱莉が幼い頃に母親と一緒に作ったものと同じ種類の花だった。朱莉の心に深く突き刺さった。 それでも朱莉は仕事ばかりを優先してしまった。朱莉が家に戻ろうと決断を下した時にはすでに母親はこの世を去っていた。父親も母親がこの世を去る前から病気で亡くなってしまっている。
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