1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっちゃん、何すかそれ~?」
「ジジイの日記みたいだなァ。スピったことしか書いてねぇ」
「俺にも見せてくださいよ~」
「ほれ」
「うわ~、なんかキッモイっすねぇ~」
「おーい! あっちゃん、こっちは金目の物なんもねぇぞ」
ドタドタと音を立てながら、二階から男が降りて来た。こうして、一階のリビングには三人の男が集まることになった。
「震災でみんな避難してるから、空き巣やれば稼げると思ったのにな」
「同感~。ジジババって、タンス預金してるイメージだったのに。ねぇ、あっちゃん?」
「ああ、そうだな」
あっちゃんと呼ばれた男は、顎に手を当て少し考え込む。
「なぁ、祠に行ってみないか?」
「は?」
「なんで~? 金目のものがあんの?」
「違う。そうじゃない」
そう言って、スマホを取り出すと
「俺たちの本業は、生配信者だろ?」
ニヤリと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!