命なる言の葉

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 落ち着きを取り戻し峠を越えた。白石も落ち着いた清海に安堵した。後は博之の言葉を待つだけだ。  今、病室では博之と清海だけになっている。意識は取り戻したがまだ予断は許さない。病院関係者の白石や竹上、それに清海の母、時子も博之と清海は最良の決断をしてくれると信じていた。  博之は先程までの清海の状態に触れ、決意した言葉が揺らぎそうになっていた。白石や時子の思いも心を締め付けた。しかし……本心は伝えないとだめだ。博之は心に決めて清海に静かに話しかけた。  ──俺は間違っているのかも知れない。それでも俺は彼女に伝える──
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