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じごくの果て
目を開けるとおれは暗いところにいた。長い間ねていたかもしれない。それとも目が見えなくなったのか。
「ぐっ…」
声を出そうとしたけど、よだれだけが口からたれた。手足も動けなかった。頭が何かにぶつかった。どうやら狭くて暗い場所に閉じ込められてるようだった。
「権田君…権田君…」
すず木先生の声が外から聞こえた。
「権田君、起きた?」
おれは小さな木の箱の中に入れられてた。首はクサリでつながってた。
「せん…せ…」
声を出そうとしてもよだれだけが出た。手足を動かそうとしたけど、おれは自分の手がないことに気づいた。
「…っあああああ!!!」
おれの両方のうではひじの部分で切られて無くなってた。
「ごめんね。君の両手と両足はとく別なノコギリで切ったよ」
「な…ん…で…」
目がかすんで息が苦しい。
「モルヒネは効いてるから痛くない…痛くない…」
すず木先生はおれをオモチャみたいに箱から持ち上げて、ベッドに横たえた。
「君のおしりは先生のおちんちんが好きみたいだね」
そう言っておれの首のクサリをつかんだ。
「本当にかわいい…。首わがよく似合うよ…」
「せん…せ…」
おれはすず木の死んだ目に見られながら、そのまま暗やみの中に入った。
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