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靴を履き外へ出たと思えばまた廊下が続いている。しかも名が書かれた札がついた扉が多いように思い、色々見て歩くがやはり余の屋敷とは雲泥の差だな。
瑞希の後をついて歩けば扉の前で立ち止まったので見ていれば、チンと音がして扉が急に左右に開いて小さな部屋が現れた。
瑞希が入るので余もついて入れば瑞希が中の装置を触り、また急に扉が閉まり浮遊感に瑞希の腕にしがみつく。
「な、なんだこれは!」
「エレベーターだよ?あ…もしかして無かった?」
「えれ…何て?」
少し揺れたと思えばまたチンと鳴り扉が開いて広い空間がある。離れて歩いていけば中々広々とした空間に観葉植物やソファーなどがあり、このくらいの広さの部屋が良いと思っていれば瑞希はさっさと歩いてゆく。
ガラスの扉が左右に開けば余は目を疑った。コンクリートの塊が乱立していて空が狭い…鉄の箱が勢い良く行き交い、きっちりと服を着た人々が他人に無関心で行き交っている。
余の世界ではほとんど二階建ての建物ばかりで、人々も交流を大事にしていたが、ここはまるで他人が見えていないようじゃないか…
本当にここは余の居た世界では無いのか…余は本当に…本当に暗殺者に殺されてしまったのか…
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