65人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこに行きたい?」
「わかるわけなかろう?ここは余の居た世界とは全く異なる世界のようだ」
狭い空を見上げていれば、手を繋がれ道を歩く。すれ違う者皆男で、やはり女が見当たらない…
辺りを見れば余達の他にも手を繋いだりしている者達も居れば、首輪に繋がれた鎖を引く主従のような関係も見受けられる。
徐々に人通りも多くなってきて、あまり人が多い所に自分が入っていた事が無いので瑞希の手を握る手に力が入ってしまう。その時不意に声が聞こえてきた。
「あれミズキじゃね?」
「本当にミズキじゃん!でもあの一緒に居るの誰だ?」
「新作の相手かな」
なんて会話が聞こえてくる。だが瑞希はそんな会話耳に届かないというような、それは自分じゃないとでもいうような、そんな感じでそちらを見向きもせず歩いてゆく。
「貴様…有名なのか」
「ん?んー…まぁ…ね」
こちらも見ずに答えてくる。余が尋ねたのだからこちらを見て答えるのが当然だろう?そう思っていれば道を渡らずに立ち止まるので見回せば皆立ち止まっている。
「なぜ進まぬ」
「信号が赤いからかな。あぁ帰ったらいっぱい教えてあげないとね」
瑞希が見ているものが赤いランプがついていて、それが点滅を繰り返してから青になれば皆歩き始め、瑞希も歩き始めたのでついて歩く。
最初のコメントを投稿しよう!