66人が本棚に入れています
本棚に追加
小鳥の囀りでゆっくり目を開ける。ここはどこだ?余の部屋では無い事は明らかだが、誰かの寝室のようでベッドの上で目が覚めていた。
起き上がれば白と紺を基調とした家具でほぼ統一されたシックな部屋で、観葉植物や机と椅子などもあるまるで犬小屋のような狭い部屋だ。
「誰か!誰か居らんのか!」
裸で寝ていたようで、服が欲しい。呼んだが誰も来なくて仕方なく扉を開けて外へ出れば細い廊下が続いていて、色々な扉を開ければ見たことの無い物が沢山あったがとりあえずは人探しだ。
話し声が聞こえてきた部屋の扉を開ければソファーに一人の男が座っていた。カーキ色の短めの髪にタレ目ぎみな綺麗な翡翠をはめ込んだような瞳の、傍目からでもわかる体つきのいい若い優男風の男が居た。
優男が見つめる先には薄い箱があり、その全面には男同士の目合いをしていて背筋に悪寒が走る。そんな行為をするのも信じられんしそんな行為をソファーの肘掛に肘をかけ頬杖をつきながら真っ直ぐ見ているのも信じられん。
「呼んだらさっさと来ぬか無礼者」
「あぁ、おはよう。目が覚めたんだ」
片手を腰に当てながら言えば一瞬こちらを見て止まったがその後すぐ微笑みかけられたのだが、この無礼な物言い万死に値する。余と対等かそれ以上の関係のような物言いでは無いか?
最初のコメントを投稿しよう!