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「首をはねてやる。処刑人を呼べ」
「ふっ……ふふっ」
「な、何を笑っておる無礼者!!余を知らぬ訳ではあるまい!」
辺りを見回せば笑われ、ムッとしたが意に介さず笑っている。本当に余を知らぬ者がまだ居たのか?皆余に頭を垂れひれ伏し崇め奉ったものを。
「余はアレクサンドラ・ヴァルディオス王その人である!」
「僕は須藤瑞希だよ?よろしくね」
胸に手を当て堂々と名乗ってやったのにまだ笑いながら手を差し出してくる。こやつ何者なのだ?しかし…喉が渇いてきたな。
瑞希の目の前にはカップに入った黒色の飲み物があり、隣に座りそれを奪い口に含んだがカップを置いて両手で口を塞ぐ。なんだこれは…泥か?苦くて不味くて吐きたい…むしろこれは余が飲み物と思っただけでこれは飲み物では…
「これはコーヒーって言うんだけど…」
カップを睨んでいれば瑞希はさも当然というようにその黒色の液体を喉を鳴らして飲み込んでゆく。カップを置いた瑞希の膝に向かい合うように乗り、口を開かせ口内のこーひーとやらを流し込んでやれば飲み込んでゆくのが見える。
「酒を持て。余は酒が飲みたい」
「知らないんです?お願いする時はキス、しないと聞いて貰えないんですよ?」
「阿呆。これは命令だ」
不思議そうに言われたが、無視をしていたが全く動く様子が無い。
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