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圭は驚いた。
「ど、どういうことですか?」
「アメリカのセントジュード小児研究病院は小児ガンの研究が進んでいる世界一の病院よ。そこで、治療を受ければ、瑛一君はきっと治るはずよ」
話の展開の速さに、圭はついて行くのがやっとだった。
「つ、つまり、瑛一くんは死なずにすむと言うことですか?」
「ええ、そうよ。瑛二君が絶望して滅ぼしたかったこの世界の底力を見せてみせるわ!」
「翔子さん、、貴女って人は、、」
圭は言葉にならなかった。
だが、圭は改めて惚れ直した。
これが、自分が愛した、椿翔子という人間だ。
決して、人を諦めて見捨てたりしない。
決して、この世の不条理に屈したりしないで、全力を尽くす。
圭は、思わず、翔子を抱きしめた。
その圭に、翔子は言った。
「渋谷君、この続きは家に帰ってからよ。それより、今は空港に待たせている政府専用機に急ぐわよ!」
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