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圭は、翔子を抱き抱えたまま、寝室に行き、ダブルベッドの上に、そっと翔子を下ろした。
「渋谷君、、」
翔子は、囁くように言った。
圭は、その翔子の着ているブラウスのボタンを上から外していった。
そして、露わになった翔子の首元に、キスをした。
すると、翔子が吐息を漏らした。
だが、急に強い口調で言った。
「渋谷君、電気を消して!」
「どうしてですか? 僕はあなたの美しい体を見ながら、抱きたい、、」
翔子は、俯いて呟くように言った。
「だって、私の体、、醜いでしょう、、。火傷の跡が酷くて、、。あなたに見られたくない」
翔子は、まだ幼い頃、うつ病の母親が自宅に放火し、翔子以外の家族がみんな亡くなった。
翔子だけが助かったが、その全身には、酷い火傷の跡が残ってしまっていた。
しかし、圭は、そう言う翔子の頭を優しく撫でた。
「翔子さん、、。僕は貴女が受けてきた運命の辛さごと愛したんです。どんな姿だろうと、それは変わらない」
「でも、わたし、あなたより7つも年上のおばさんだし、、。渋谷君、まだ若くて素敵なんだから、もっと若い綺麗な子がいたら、その子と付き合ってもいいのよ、、」
圭は、ため息を吐いてから、強く言った。
「翔子さん! 貴女は、僕が浮気をしても我慢できるんですか? 僕は貴女がもし、僕以外の男と寝たら我慢できずにそいつを殺してしまうかもしれない。それくらい貴女のことを愛しているんです!」
「渋谷君、、」
翔子の頬に、嬉し涙が流れた。
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