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『この世で最も愛する人間の死と、この世の破滅は等しい』
その脅迫文は、新聞の文字を切り貼りして赤い紙の冒頭に、そう記されていた。
そして、二行目には、、。
『椿翔子日本国総理大臣へ 貴女の最も愛する人間の死を避けたければ、核戦争を起こし、この世を破滅させよ』
翔子が真っ青な顔で帰宅したので、夕飯の支度をしていた圭は、驚いて訊いた。
「どうしたんですか?! 体調が悪いんですか?!」
翔子は、圭を見つめて言った。
「渋谷君、、また脅迫状が来たわ、、」
「えっ? また、総理大臣を辞めろと?!」
「いいえ、、違うわ、、」
「じゃあ、何ですか? 今度の要求は?」
翔子は、震える声で言った。
「世界中で核戦争をおこして、この世界を破滅させなければ、わたしの最も愛する人間を殺すと、、」
「えっ?」
「渋谷君、、あなたのことよ、、」
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