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翔子は、圭に告げた。
「今、警察と公安が協力して、過激派や、過激思想を持っている人物を捜査しているわ。渋谷君は、しばらく家から出ないで」
圭はそう言われたが、訊いてみた。
「僕は元SPですよ。自分の身は自分で守れます。大体その脅迫状は、どこに送られて来たんですか? 官邸ですか?」
「いいえ、、。さざなみ新聞社よ。誌面に載せたいが、その前に私の了解が得たいと、、」
「さざなみ新聞社? それはまた、小さな新聞社宛ですね。言ってることが大き過ぎる割に、送り先が小さい。読者も少ないでしょう?」
翔子は、圭にそう言われて、改めて気が付いた。
「そうね、、。なんだか、この内容なら、大手の新聞社宛に送った方が、騒ぎも大きくなって犯人の思う壺でしょうに、、」
圭は、腕を組んで、考え込んだ。
「それに、内容が矛盾してる、、。世界を破滅させたら、当然僕も死んでしまうわけでしょう? 取引材料にならない」
「そうね、そう言われれば、、」
「なんだか、考えが稚拙ですね、、。過激派というより、まるで子供の考えのようだ、、」
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