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②
警部の命で2日の休暇を得て戻って来た通称チッチ事、古玉珠世は泡沢の知っているチッチの姿そのものだった。
昨日の夕方、所轄の管轄内で起きた強盗殺人の捜査会議が朝一から行われる事が決まっていたが、チッチはその会議開始時間ギリギリになって現れたのだ。
朝、刑事課に姿を見せなかったチッチは会議室に向かう泡沢を見つけるといきなり腕に絡みつき、胸を押し付けながら、
「先輩、おはようございます!」
と笑顔で言ってのけた。
「遅刻だぞ?」
「いえ、ギリセーフです」
「バカ。セーフなわけないだろう。つか、その腕は離せ」
チッチは渋々「はぁい」と言い絡めた腕は離したが、胸はこれ見よがしと押し付け続けた。
「胸もだよ!」
「あ、先輩、ひょっとして勃ちました?」
「悪いが胸を押し付けられた程度じゃ勃たないさ」
そうは言ったものの、泡沢の意思に反してチンポはグイグイと蠢き出していた。
木下の死の事もあってか、退院後、一度もシコっていなかった。幸いな事にその間、凶悪な事件が発生しなかった事は泡沢に取って幸いな事だった。
もし何かしら起きていれば、しっかりとシコれたかどうか怪しい程、泡沢は性欲すら失っていた。
だが一区切りついた今、チッチの元気な姿と押し付けられた胸ね弾力を肌で感じてしまうと、溜まっいるせいもあってか、チンポは素早く反応を示した。
そのせいで少しずつ腰が引けてしまっていた事に気づいた泡沢は直ぐにでもチンポの位置を直したかったが、それをさせまいとするチッチの股間を見つめる視線が痛過ぎてムクムクと勃起し始めるチンポの位置を直す事が出来なかった。
「へぇ。そうなんでか?なら確かめて良いですか?」
チッチがいじらしい表情で泡沢の顔を見上げた。
「お前ら、朝からうるせえな」
前を歩く三田さんが振り返る事もせず、ドスの聞いた声音でそう言った。
泡沢はほら見ろ!三田さんに怒られただろうが!と泡沢はチッチを睨み返し口パクで伝えた。
チッチはわかんないという風にふざけて見せ、直ぐに泡沢から離れ三田の方へと駆け出した。
チッチは三田さんにしっかりと挨拶と2日間、迷惑をかけた事を謝罪した。
泡沢に対してとは大違いの対応だった。コンビを組んでまだ日は浅いが、一応は泡沢も先輩だった。
なのにチッチは時にタメ口を聞いたかと思えば、先程のようにイジって来る。
イジるのはチンポだけにしろ!と言い返したくもなるが、その結果がどうなるかは歴然としていた為、泡沢は少しばかり落ち込みそうになった。
勃起するのは捜査の為であって性欲の為ではない。ないが、チッチに側に寄られるだけで、それを期待する自分がいる事も確かだった。
勿論、そんな気持ちがあるだなんて口が裂けても言えないが。
三田とチッチが、会議室に入るのに遅れて泡沢も続いた。
前列から3列目の席に腰掛けた。チッチは何故か自分の後ろに座っていた。コンビだから横に座れば良いのにと泡沢は思ったが、今更かと感じ前へと向き直った。
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