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俺は自分の部屋のベッドの上で目を覚ました。
しばらく頭がぼんやりとしていたが、金曜日から日曜日までの出来事が
夢ではないことだけは、わかっていた。
室内スリッパは泥で汚れていたし、あのとき、空間に飛び込んで
転んだときの右手の傷に、白いものが巻かれていたからだ。
さすがにそれはマフラーではなく包帯だった。ポロロさんが手当て
してくれたのかな?ありがとう。
そこへスマホが鳴った。
「ふぇーい」
「あ、落合さんですか?浅野です。あの、なんでか自宅に戻っていて、
ベッドの上にいて、これは、一体......」
「まあ、話せば長くなりすけどね。それはともかく」
「はい?」
「浅野浩二さーん、おかえりーっす」
一瞬の間が開いて。
「ただいま」
という、恥ずかしそうな声の返事がきた。
「そんじゃ、二度寝しますんで、あとで、また」
俺は安心してスマホを切って眠りについた。
――完――
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