隊長

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隊長

 山を登る理由は色々とあると思う。我々の場合、頂上にある目的地を目指している。 「隊長!!斜面キツくありませんか?」 「みなで登れば怖くない。そうだろう?みなよ」  わたしに続く隊員たちを見返る。足場は安定している。傾斜が少々キツいだろうが、頂上を目指すためならとみなの足は止まることを知らない。 「平坦な道よりキツいですが、みながいるので安心です!!」 「道に比べたら楽な方ですよ」  隊員たちの心強い言葉に一番下を登っている隊員は勇気づけられる。そうしてまた足を歩み始めた。  山を登ると不安になる  けれど、仲間たちの前向きな言葉がそんな不安すらなくしてしまう。 「まだ、ゆっくり登ってるんですか?」  別隊長は我先と別ルートから登っているではないか!! 「我々も速度を上げるぞ」
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