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「うわ〜綺麗な人ばかりで、どの人か……」
と言う美香に対して、私は、なぜかすぐに分かってしまった。
「綺麗〜」と呆然と見つめてしまった。
「え?」
「私、分かったような気がする〜」
「どこ? どの人?」
私の目線の先を見ている美香。
まるでオーラのような光に包まれて輝いて見える。
あれを美しいと言うのだろう。
「なるほど〜」と美香も驚いているもよう。
「きっとあの人だよね……終わった」
「あれじゃあ、しょうがないよ、ひまり! ドンマイ!」という美香に返す言葉がなかった。
同期女子たちの間では、その美人秘書さんが彼女だという噂で持ちきりだった。
何度も廊下で2人が仲良さそうに戯れ合って話しているのを目撃されている。
────
あの時に、私の恋は呆気なく終わり、もう私にチャンスなどない! と分かってしまったのだが、
1年経った今でも私の推しは、田上さんだけなのだ!
それ以上の人は、現れていない。
仕事が出来て、優しくて、見た目もイケメンで、
今まで生きて来た21年間で、私にとって最高の
推しメンなのだ。
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