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「ひまり!」
「はい」
田上さんに呼ばれる度にドキッとする。
「悪いけど、コレ今日中に頼めるか?」
と、書類作成を頼まれる。
「はい! 頑張ります」
田上さんに仕事を頼まれると凄く嬉しい〜
もちろん私が推しの仕事を断るわけなどない。
何が何でもこなしてみせるわ。
「じゃあ、夕方戻って来るから頼むな」
「はい、いってらっしゃいませ」と見送る。
私は、あなたを見てるだけで笑顔になれるんですよ。たとえ、私の彼氏にならなくても……
俗に言う推し活とは違うけど、私にとっては、このやり取りが唯一の推し活なのだ。
ホヘ〜っと、締まりのない顔をしていると、顔を覗き込む男が……
「お前なんて顔してんだ? ハハッ」と笑う2歳年上で同期の山田
「なんだ! 山田か〜」
「なんだ! って、お前ホント失礼だよな」
「ふふ何? なんか用?」
「あ、コレ作ってくんない?」と、書類を見せる山田
すかさず私は、
「あら、ごめんなさい、先約があって〜私今日は、コレで手いっぱいなんで〜」と田上さんから預かった書類をヒラヒラさせる。
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