第1話:虐め社会の行く末は

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「それではダメだ。お嬢さん、折角の機会だ。教えてあげよう。 運命というのは人に委ねるものじゃない。そう、気持ちを積み重ねて作り出すものなんだ。 僕が与える加護はそのきっかけにすぎない。それを生かすも殺すも君次第というわけだ。 改めて聞くよ? 君に、運命を変える覚悟はあるのかな?」 「……あります」 「グッド」   スミレが今度は間髪入れずに答えたことに白澪が満足気に頷くと白澪の足元から突風が吹き荒れ、スミレは咄嗟に顔を手で覆う。 突風が収まりゆっくりと目を開くと、そこには白い角を生やし、白と黒でできた洋風な着物を着込んだ白澪が立っており、言葉を失った。 「あ、驚かせちゃったかな? 僕は、白鬼の白澪。この姿が僕の正装だ。これから行う運命の儀式には欠かせないね」 「儀式……? え、私の事を助けてくれるんじゃないんですか?」 「え? ちゃんと僕の話を聞いてた? 助かりたいなら自分の力で道を切り拓くしかないんだ。そうでなければそんな未来はゴミクズでしかないからね。まぁ、僕が加護を与えることでそのお手伝いをすることはできるけど…… そして僕はこうも言ったはずだ。僕がしているのは慈善活動じゃないってね」 「じゃあどうすれば……」 白澪は、細長い息を吐くとスミレの顔を覗き込み、ニタッと笑った。 「生き残るには、女神と悪魔の加護が必要だ。 君の強い思いがこの僕を現世へ呼び寄せた。つまり、君は既に悪魔の得ていることになる。 だが、君は女神の加護をまだ持っていない。 だからこれで女神の意思を問うとしよう」   白澪は先程アオネコとの賭けに使用したコインを取り出し、ひらひらと揺らす。
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