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私の身体は……?
目を開けると真っ白な天井が見える。ここはどこだろうと思い、首を廻そうとしたけど……えっ? 動かない。
突然、目の前に誰かの顔が現れた。この顔は……? 理紗……?
「ねぇ、パパ。ママの目が開いてるよ」
「えっ? 何だって?」
直ぐに浩二さんが理紗の隣に現れた。
「百合、目覚めたのか? 僕と理紗の事、分かるか?」
頷こうとしたけど頭が全く動かせない。それどころか身体のどこも動かない。
「待ってろ、先生を呼んでくるから」
ベッドの周りには医師、看護師、そして浩二さんと理紗がいる様だ。医師の声が聴こえて来る。
「確かに目を開いていますが、残念ながら脳の運動機能は全く改善されていません。多分、百合さんに意識は無く、ただ目を開いているだけの状態だと思います」
「そんな……」
浩二さんの失望の声が聴こえる。
(私、ちゃんと意識があるわよ)と言いたいけど、声が出ない。
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