ぷれぜんと・えぶりでぃ!

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今日も疲れた。 公共の場というのはいるだけで疲れるものだ。 教科書や筆箱の入ったカバンは体に重くのしかかる。 靴のすり減る音。 日はもう沈みかけて、夜が迫ってきていることが伺えた。 もうすぐ家につく。 そして、寝たらまたすぐに学校へ向かう。 こんな日々の繰り返し。 つまらないものだ。 そんなことばかり考えている間に、家の前についた。 玄関への扉はもう手の届く距離。 ガチャ 聞き慣れた音が鳴る。 そう、いつもと同じ…… 「ただい……姉さん?!」 だと思っていた。 何故か姉さんが血を流して玄関前に倒れている。 「ちょっと姉さん!?」 こういう時110番か199番か分からなくなる。 姉さんの命が私の行動にかかっていると考えると吐き気がした。 やはり、冷静でいることはできない。 だが、鼻に伝わるある衝撃で私の思考は冷静になった。 「……ケチャップ?」 ケチャップの甘めな香りが充満している。 姉さんから流れている血を手で触ると、トロっとした感触が伝わってきた。 よくよく見てみると血にしては鮮やかな色である。 「……姉さん?」 まだうつ伏せで倒れたふりをしているが、肩がかすかに揺れている。 笑っているようだ。 「……」 私は無言で姉さんの横腹に蹴りを入れる。 「いだっっ!!!」 「お目覚めですかぁ?」 「ちょっと優奈!?さすがに蹴るのは酷いよ!!」 涙目でそう訴える姉の服は赤まみれだった。 「食べ物を粗末にするほうがだめでしょ。母さんが帰ってくる前に片付けてよね」 「え〜〜優奈も手伝ってよ〜!」 「私は課題があるから無理!!」 わざと大きな音を立てながら階段を上り自室へこもる。 姉さんが私を呼ぶ声は聞こえたが、ヘッドホンで遮断した。
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