ぷれぜんと・えぶりでぃ!

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姉さんのいたずらはそれからずっと続いた。 『拾ってください』と書かれた段ボールに入って玄関で待ち伏せされたり、びっくり箱で脅かされたり、「勇者よ、よくぞここまでたどり着いた」とか言いながら階段から黒いマントを被って降りてきたり……まぁ、色々あった。 遠方に住む兄の勇也にも電話で相談したが「友香らしいな〜」と、まともに取り合ってもらえなかった。 確かに姉さんらしいとは思う。 でも、さすがに毎日となると……。 ただ、最近少しだけ……本当に少しだけ期待をしている自分がいるのも事実。 今度は何があるんだろう。 つい、そう考えてしまうのだ。 私が少しでも楽しんでいそうに見えたら調子に乗るから、表面上面倒くさそうにしてはいるが。 姉さんはそういうやつである。 それに、本当にイライラしてるときにいたずらされたらただただ腹が立つだけだ。 今日も私は重い足を引きずって学校へ向かう。 でも、不思議と前で進む勇気は出た。
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