ぷれぜんと・えぶりでぃ!

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中間テストの結果は散々。 今日帰ってきた時絶望した。 素直にもなれなくて、社交的でもなくて、勉強もできないし、運動だってできない。 こんな私を好いてくれる人なんているわけがない。 せめて、勉強だけでも頑張らないと。 足は重いはず。でも、自然と家への足が速くなっていく。 この感情が何か、冷静でない私の中では到底理解することはできなかった。 勢いのままに玄関の扉を開ける。 その時だ。 「ばぁ!!」 「わっ!!」 鬼のお面を被った姉は、大声と共に現れた。 姉がいたずらしてくることを忘れ、完全に油断していた私は尻餅をついた。 「びっくりした?」 お面を取り、ニヤニヤした顔で聞いてくる姉。 いつもなら少しイラってする程度。 でも、今の私の心にそんな余裕はなかった。 「……して……」 「なんて?」 「いい加減にして!!!」 私は姉を怒鳴りつけ、自室に駆け込む。 小馬鹿にしたようなあの態度が今日は無性に腹が立った。
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