夢から醒めても。

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 「……あ、あっ、ううッ!」  数日ぶりに躰の中に穂積を受け入れて那月は焼けつくような快感に襲われた。  好きな人とひとつになる喜びに全身が満たされ、感極まってしまう。  「……う、ああッ、あン……ッ」  那月の瞳の端から零れ落ちる涙に唇を寄せ、穂積はその躰を優しく揺さぶる。  「……那月……可愛い」  「穂積さ……穂積さんっ……ああッ……」  那月は穂積にしがみつき、無我夢中でその名を繰り返した。  「トロっトロだね、那月」  穂積は囁きと同時に耳朶を甘噛みし、那月の細腰に手を添えるとさらに深く躰を繋げた。  「……やっ、あ!んんン……ッ」  那月はいやいやをするように激しく首を振り、穂積の腰に絡ませた脚に力を込めた。  「那月、ここが好き?」  「ん、ンンっ……」  「気持ちいい?」  穂積が耳朶を食むたびに那月の躰が弓形に反り、びくびくと震える。  「……あッ、んん……気持ちい……」  涙に濡れた黒い瞳で素直に頷く那月を見て穂積は愛しさを募らせる。  「……穂積さん、は?」  「え?」  「気持ち、いい?」  切なげに眉を寄せながら那月は震える手で恋人の頰に触れた。  穂積は目を見張り、その手を握りしめる。  「うん。俺もすごく気持ちいいよ」  「……良かった」    綺麗な瞳を快感で揺らしながら、安堵の笑みを浮かべる那月を見て穂積はたまらなくなる。  「那月……っ」  グッと躰を押し進めながら穂積は桜の花びらのような那月の唇にキスした。  「……んぅっ」  「那月……愛してる」  唇は離さずに穂積が囁くと那月は大粒の涙を溢しながら何度も頷いた。
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