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黒猫と白ウサギが酔い潰れたのでハロウィンパーティはそこでお開きになった。
例によって穂積が那月を、悟が澪を抱き上げて寝室まで運ぶ。
穂積が白ウサギをベッドにそっと寝かせ、体を離そうとすると細い腕が穂積の首に絡み、それを止めた。
「行かないで」
穂積に縋りつき、那月は吐息まじりに囁いた。
「大丈夫、どこにも行かないよ。そのままじゃ寝苦しいだろ?着ぐるみを脱ごうか」
「やだ、脱がない」
「そんなもっこもこのまま寝るの?可愛いけど」
穂積は長身を屈めた状態で那月にがんじがらめにされて苦笑する。
「……だって……俺のウサギ可愛いって、穂積さんが褒めてくれるの……嬉しいから……まだ……脱がない……」
酔ってぽやぽやしている那月がポツリポツリ呟くのを聞いて、その瞬間に穂積の理性は一瞬で吹っ飛んだ。
「……いや、もう脱いで」
「やだ!」
那月は可愛らしく身体を捩ってベッドの上で丸くなる。
「じゃあ俺が脱がす」
穂積は言うが早いか那月に覆い被さる形で白ウサギの背中のジッパーに手をかけた。
「……やっ……脱がないィ……」
「絶対脱がす」
穂積は片手だけで那月を押さえこみ、もう片方の手で素早くジッパーを下ろして着ぐるみを半分はだけさせ、下に着ていたTシャツの中に手を差し入れた。
「……んンっ……」
那月の肌はアルコールのせいで燃えるように熱い。
穂積の指が触れたその一瞬で胸の突起が反応して硬くなる。
「……かわい。もうコリコリになってる」
穂積が耳元に囁くと那月は大きく躰を反らし、ぶんぶんと首を横に振る。
「……やぁッ……だめ……まだ、ウサギ……」
「着ぐるみ可愛いけど……那月の白い肌、見たい」
胸を弄りながら穂積は耳元に低く甘く囁く。
「……見るだけ?」
酔いで潤んだ黒い瞳が誘うように揺れながら見上げてきて穂積は一層煽られる。
「もちろん触る」
くすりと笑ってから穂積は手のひらで那月の熱く滑らかな素肌をゆっくり撫でた。
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