黒猫と白ウサギに変身してみた。

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 すべてを脱がされ、透けるように白い素肌を晒し、穂積からの愛撫に耐えかねて那月が躰を震わせるたびに唯一残されたチョーカーの鈴が鳴る。  チリリ、チリリという鈴の()とともに那月の唇から切ない吐息が溢れ、穂積の欲望に火をつける。  「……はッ、ああっ……んンンッ……」  「那月、可愛いね」  バリトンの囁きで耳元をくすぐられ、長い指でナカを掻き回されて那月はほろ酔いのまま次々と打ち寄せる快感の波に呑まれる。  「唇ももすごく熱くて、火傷しそうだよ」  「……やっ……そんなのされたら……ぐずぐずになっちゃ……」  「いいよ、ぐずぐずの那月、見せて?」  「……だめ……だめぇ……」  涙に濡れた瞳で穂積を見つめ、那月は辛そうな表情(かお)をして激しく首を振る。  「那月、辛いの?初めてのお酒で頭痛かったり気持ち悪かったりしない?」  耳元に優しくキスしながら穂積が一瞬指の動きを止めると、那月は堪らず高い声を出して乱れた。  「……やぁッ!やめないで!」  「指、もっと欲しいの?」  「わかってるくせに……意地悪ッ……」  那月は大きな瞳から涙をポロポロ溢しながら可愛らしく穂積を睨んでみせる。      「……そんなふうに睨んでも……余計に俺を悦ばせるだけだよ?」  「……やだ、穂積さん……早く、続き……」  那月は穂積の愛撫とアルコールによって火照った躰を持て余し、燃えるように疼くをキュウッと締めた。  「凄いね那月、俺のこと誘ってる?」  穂積が再び耳元に囁くと那月は酔いにまかせ、何度も大きく頷いた。  「……誘ってる!だから……早くぅ……」  普段では考えられないストレートな物言いが新鮮で、穂積は酔って大胆な那月もまた可愛いと思いながら指での愛撫を再開する。  「……ンあッ……穂積さ、ん……穂積さ……もっと……」  ワインの香りを振り撒きながら妖艶な表情で乱れる那月に穂積は息を呑む。  「……そんな表情(かお)、初めてだね」  「……や……わかんな……」  穂積の指に翻弄されながら那月は目を閉じて快感を追う。  苦悩するように眉を寄せて唇を震わせる姿が悩ましく、穂積は恋人の新しい一面を見せつけられてゾクゾクした。
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