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「……あっ!ううぅん……ッ!」
少しずつナカを押し広げながら身体を進めてくる穂積を感じ、さっき絶頂に達したばかりの那月は一瞬で再び昇り詰め、全身をガクガクと震わせた。
「那月、またイッちゃった?」
穂積が耳朶を甘噛みしながら囁くと那月は細かく躰を震わせながら訴えた。
「……ふ、あッ……穂積さ……いま待って……待っ……」
「……何度でもイッていいんだよ?」
穂積は囁きとともに那月の細腰に手を添え、優しく揺さぶり始める。
「……あ、嫌ッ……まだイッて……るから……」
「ごめん、止められない……君が可愛過ぎて……」
穂積は耳元に囁きながら強弱をつけて那月を翻弄する。
こんなふうに立て続けに達するのは初めてで、那月は全身が粟立つような快感の波に襲われ続け、かつてないほど乱されてしまう。
「……やぁッ、あンっ……んうッ……」
艶やかな黒髪を振り乱し、わけが分からなくなりながらも、那月は両腕を穂積の首に回して縋りつき、与えられる快感を一途に受け入れる。
「那月……那月……」
穂積もここまで艶めいて乱れた恋人の姿を見るのは初めてで、どうしようもないほど昂ってしまい、理性も自制も効かなくなる。
「……穂積さ……穂積さんッ……んンッ……好き……」
「……那月……俺の那月」
ふたりはぴったりと重なり合ったまま互いの吐息とワインの香りに酔いしれ、飽きることなく何度も何度も求め合い、睦み合った。
静かな寝室に甘い嬌声とともにチリチリという可愛らしい鈴の音が途切れることなく響き渡り、
秋の夜長に溶けていった。
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