黒猫と白ウサギに変身してみた。

12/12
前へ
/241ページ
次へ
  「那月、二日酔いで頭痛くなっちゃったって、可哀想に。後でお見舞いに行かなきゃ」  ソファに深く腰掛けてスマホのMINEメッセージで那月とやりとりをしていた澪が言う。  リビングテーブルで複数の新聞を順番に読んでいた悟はそれを聞いて思案した。  ーー酒のせいだけじゃないのでは?と。  「那月ウサギ、めちゃくちゃ可愛かったな」  澪がスマホで撮った昨夜のハロウィンパーティの写真を見ながらそう言って笑うと、悟は椅子から立ち上がり、ソファに移動した。  そして澪の隣りに座り、その細い肩を抱き寄せる。  「昨日首につけてたやつはもうつけないのか?」  「首に……ああ、チョーカーのこと?つけないよ。だってあれ動くと鈴が鳴ってうるさいでしょ?」  「よく似合ってた」  話しながら悟は形のいい指で澪の長い黒髪のひと房をすくい、唇を寄せた。  「おまえが身を捩るたびに鳴って、すごく悦かった」  「……悟さんのエッチ」  澪はそう言って艶っぽい流し目を送ってみせた。  悟は吸い寄せられるように澪の顎に手をかけ、その唇を奪う。  「……んっ……また、つけてほしい?」  「ああ」  悟は即答しながら自分の膝の上に澪を乗せ、襟がV字に広く開いたセーターを着た白い首筋に吸いついた。  「……ふ、あッ……悟さ……」  澪は甘い吐息を吐きながら悟の首に両腕を絡ませ、その身を反らした。
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

829人が本棚に入れています
本棚に追加