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「那月、二日酔いで頭痛くなっちゃったって、可哀想に。後でお見舞いに行かなきゃ」
ソファに深く腰掛けてスマホのMINEメッセージで那月とやりとりをしていた澪が言う。
リビングテーブルで複数の新聞を順番に読んでいた悟はそれを聞いて思案した。
ーー酒のせいだけじゃないのでは?と。
「那月ウサギ、めちゃくちゃ可愛かったな」
澪がスマホで撮った昨夜のハロウィンパーティの写真を見ながらそう言って笑うと、悟は椅子から立ち上がり、ソファに移動した。
そして澪の隣りに座り、その細い肩を抱き寄せる。
「昨日首につけてたやつはもうつけないのか?」
「首に……ああ、チョーカーのこと?つけないよ。だってあれ動くと鈴が鳴ってうるさいでしょ?」
「よく似合ってた」
話しながら悟は形のいい指で澪の長い黒髪のひと房をすくい、唇を寄せた。
「おまえが身を捩るたびに鳴って、すごく悦かった」
「……悟さんのエッチ」
澪はそう言って艶っぽい流し目を送ってみせた。
悟は吸い寄せられるように澪の顎に手をかけ、その唇を奪う。
「……んっ……また、つけてほしい?」
「ああ」
悟は即答しながら自分の膝の上に澪を乗せ、襟がV字に広く開いたセーターを着た白い首筋に吸いついた。
「……ふ、あッ……悟さ……」
澪は甘い吐息を吐きながら悟の首に両腕を絡ませ、その身を反らした。
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