はじまり

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「九瑠璃、才田さんどうだった?綺麗だったろ?」 「綺麗だった。。長君とはまた違った凄みを感じたよ。結城さんにも廻子さんにも」 「九瑠璃にしては意味深だな。。率直に心配になるわ」 「大丈夫。。なんか少しまた遠くに行かれた様な感覚。この頃も日に日に感じるけど、私が高校生でいる時から、廻子さんは社会に出られているし、違いはずっと見せられてきてる。それが私の一番の原動力であると思ってたけど、私を見てくれて支えてくれてる人もいる。。。長君の様に結衣の様にそれぞれ寄り添ってくれる。私を大人にさせてくれている。」九瑠璃は泣いていた。 「大丈夫。誰も彼も九瑠璃からも結衣ちゃんからもパワーを貰ってると思う。廻子さんとは違うかもしれないけれど、九瑠璃も皆んなもそれぞれ特別なんだ。九瑠璃が今泣けるのも大事な事だと僕は思いたい。ホントは泣かせたくないんだけど、、今は強がりにしかなってないかも知れないけど、九瑠璃が僕を強くさせてくれると思う。今見せた涙の様にこれからも九瑠璃が九瑠璃である所以を見せて欲しい。隠す事はなくて良い。大丈夫だよ」 「ありがとう、、」九瑠璃から抱きしめる。昼間の街灯が僕らを照らす事はない。でもそれが昼間というものだろう。 寧ろ街路樹が陽が刺すのを避けさせる。僕らのこの春を、この冷え切った風が想いを熱く春へと導き、夏そして色彩豊かな秋に向けて秒針が刻んでいく 今の僕らには明日しかない。そう願う様に、またそう確信していく様に、日々を重ねなければいけない。
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