カーテンコール 0HA-Y01001

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 宇宙船に搭載されているAIのCCに朝と夜のプログラムをインストールした。地球が消滅する前だ。きっと、地球が消滅した今では手に入らないプログラムだっただろう。 「おはよう、CC。今日のニュースは?」  こんなに狭い空間でニュースも何もないだろう、と分かっていても毎日の日課なのだから仕方がない。 「地球の夢を見ました」 「は?」 「地球の夢を見ました」 「CC、ふざけている場合じゃないぞ?」 「……」  船内で育てたニンジンを囓りながら僕が叱るとCCは黙ってしまった。AIが夢を見るわけがない。夢と捉えられるようなプログラムをインストールした覚えもない。僕自身だって、もう何年も自分の夢すら見ていない。 「CC、どんな夢だった?」 「音のない世界の夢です」  僕がもう一度明るい声で言葉を投げかけるとCCは淡々と答えた。その答えにハッとする。手に持っていたニンジンが宙に浮きそうになった。 「ご覧になりますか?」 「ああ、見せてくれ」  起きたばかりだが、また眠りにつき、寝ている間に脳波を操作する装置を着けて夢に潜る。本来は上手く眠りにつけない時に使う装置だが、機械のデータを頭に送り込むことにも使えるのだ。
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