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真理の行方
——ダダダダダダダダダッ
——カチャンッ!
「優理! 私のが、私のがない!」
部屋に入るとすぐに私は叫びました。優理はベッドの上で体育座りをしていました。なんだか悲しそうです。
「優理、どうしたの? 大丈夫?」
優理は私の方をチラッ、チラッ、と見ています。何か言いたそうです。
「そういえば優理! 私のがない……」
そう言って私は服をたくし上げました。私のものがあったその場所には、何もありませんでした。私の体を見た優理は、「ふーん」という表情です。
「なにその反応! かわいそうじゃないの⁉」
「真理よかったね、私はあんたのが付いたよ」
「ふぇ⁉」
優理も服をたくし上げました。見ちゃいけないと思って左下の方に視線を落としたけど、見えてしまいました。どこからどう見ても見慣れた私のものでした。私と優理はしばらく見つめあいました。
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