0人が本棚に入れています
本棚に追加
森では
暫くグッタリとするだけの聡に、ヘビが様子がおかしいと思ったのか聡に近付いて来た。
「このままやり過ごすのは無理か…、走れる様になるまでもう少し時間を稼ぎたいが…」
そうも思うが、芝居でキツネを抱く事には抵抗がある。それ以上に雑草を食べることは出来そうもない。
テンは再び強引に聡に花を近づけて来ている。ヘビは両足に絡みつこうとしている。
「襲って来るつもりか?」そう思い、顔を顰めたところに人の声が聞こえて来た。
「だれかいるのか」
「ここだー、助けてくれ!」
反射的に考えもなしに咄嗟に声が出てしまう。叫んだ後に「大丈夫だったのか?」と獣たちを見回すも以外にも襲ってくることは無い。
聡はその様子に一安心。それに声が出せる程に回復もしている。
「こっちだ!」
今がチャンスと、さらに振り絞って声を出す。
まもなくして、聡の元に地元の捜索隊が現れた。
「大丈夫か?」
「えぇ、ありがとうございます」
「しかし、これはどう言うことだ」
捜索隊は驚きの眼差しで状況を見つめるも、獣達をタッチの差で逃がしてしまい、残された状況の意味が分からない。
「実は…なんです」
「まさか…」
捜索隊は、聡の説明に驚くばかりである。
最初のコメントを投稿しよう!