森では

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森では

 暫くグッタリとするだけの聡に、ヘビが様子がおかしいと思ったのか聡に近付いて来た。 「このままやり過ごすのは無理か…、走れる様になるまでもう少し時間を稼ぎたいが…」  そうも思うが、芝居でキツネを抱く事には抵抗がある。それ以上に雑草を食べることは出来そうもない。  テンは再び強引に聡に花を近づけて来ている。ヘビは両足に絡みつこうとしている。 「襲って来るつもりか?」そう思い、顔を顰めたところに人の声が聞こえて来た。 「だれかいるのか」 「ここだー、助けてくれ!」  反射的に考えもなしに咄嗟に声が出てしまう。叫んだ後に「大丈夫だったのか?」と獣たちを見回すも以外にも襲ってくることは無い。  聡はその様子に一安心。それに声が出せる程に回復もしている。 「こっちだ!」  今がチャンスと、さらに振り絞って声を出す。  まもなくして、聡の元に地元の捜索隊が現れた。 「大丈夫か?」 「えぇ、ありがとうございます」 「しかし、これはどう言うことだ」  捜索隊は驚きの眼差しで状況を見つめるも、獣達をタッチの差で逃がしてしまい、残された状況の意味が分からない。 「実は…なんです」 「まさか…」  捜索隊は、聡の説明に驚くばかりである。
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