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一年後
「は〜い聡、そっち向いちゃダメ〜。あれは多分キツネです」
「はい目を瞑って」
「そんなに見ちゃいけない場所があると歩けないよ」
「奇麗な人を見ると直ぐついて行くから、気をつけないとね」
あれから、聡が愛子と一緒に歩いて奇麗な人が通ると、いつもこんな調子である。
「じゃあいつも愛子の後ついて行ってるってことは、俺の知る限り愛子が一番奇麗ってことだ」
愛子が微かに頬を染め、一瞬無口になる。が、
「と・う・ぜ・ん」と、胸を張って先を歩いて行く。
聡は、当然の様にその後をついて行く。
それは、多分これから先もずっと続くことになるのだろう…聡はそう思う。
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