お嬢と執事

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さっき玄関を出る前にお嬢から渡された暗号みたいな手描きの地図が書かれた紙切れを片手に頭を悩ませながら大森家行きつけの“パティスリーHANON”を探して歩いてると何でもない道端で野良犬に出会った。 野良犬は俺をじっ見ると突然牙をむき出して「わいんわいんっ!!ぐるあぁぁっ!!」と犬らしくない鳴き方で威嚇して来た。 当然俺は「シャアアァッ!!」と威嚇し返した。 威嚇の仕方は小さい頃に親父(ルパン)から習ってあるので上手だ。 ※今更だが、横山は自称 父親(ルパン)母親(不二子)の息子である。 小さい頃に訓練したかいあって野良犬は尻尾を丸めて「きゃいんきゃいんっ(泣)」と茂みの中に逃げてった。 「馬鹿犬め、喧嘩する相手はちゃんと選べ?」 「ママ〜、あのお兄ちゃんすご〜い!」 「関わっちゃダメよ、こっち来なさい!さっ帰るわよ!」 何だか野良犬と一緒にどっかの親子まで居なくなっちまった気がするがきっと気のせいだ。それより早いとこパティスリーHANONに行かなくては、のんびりしてたら日が暮れてますます寒くなっちまうからな。 「…あっ、待てよ、風邪ひいたら仕事休めるな。ここら辺でいっちょ風邪ひいとくか?」 『バットボーイ!』 そんな事考えてたらお嬢に指示棒で殴られたのを思い出した。「やっぱ風邪ひくのやめとこう…」
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