お嬢と執事

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支払いを済ませてケーキを待ってる間ふと店の中を見回したら それなりに金になりそうなオブジェなんかが壁や棚に飾ってあるのが目に入って 俺の目が一瞬キラッと光った。 あれとか金券屋に持ってったら高値で売れそうだな。見たところ警備も甘々だし次盗みに入るのはこの店にするか。 「(…とか何とか考えてそうな顔ですわね、クールガイ。警備を強化しておくようにこの店の店長さんに伝えておかなくては)」 ※お嬢は全てお見通しだった。 「(あ〜あ〜、このケーキ渡したらイケメンが帰っちゃうわ〜!やだやだぁ!もっと仲良くなりたいしあわよくば抱かれるとこまで関係を深めておきた〜い!!)……はぁ」 「(なんて事を考えてそうねこの女狐。イケメンに抱かれるのはこの私よっ!!)」 「(ふんっ、お馬鹿な叔母さん達。泥棒猫ちゃんの異名を持つこの店の中では1番可愛いこの私に勝てるわけないでしょう?スマホだって準備してきたし、あとはきっかけ作り……あっ、そうだ!ケーキ渡す時つまづいたフリして抱きついちゃおうっと!)…お客様ぁ、お待たせしまっ…きゃあっ!(ふっ、決まったわ!さすが天才完璧女優!)」 うわっ、この女 袖がチョコだらけじゃねぇか。汚れっから避けよ。 ※横山は綺麗好きなので避ける事を選んだ。 「(なんっで避けるのよっ!?ありえないっ!!)う"お"っ!!」 ちびブス銀バエ店員は見た目通り可愛くない声を出して床にひっくり返った。ざまぁねぇなって感じで笑えてくるわ。 ※内心でイケメンとは思えないドス黒い笑みを浮かべて横山は笑った。 
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