それでも、君が好き

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それでも、君が好き

彼女が鍵だけを残して この部屋を去って… もう、1年…? まだ、未練がましく 僕は、君を… 君の帰りを待っている… せめて… 何か書き残していてくれたら… 「他に好きな人ができたの」とか 「もう、嫌いになった」とか そしたら僕も、 思い切ることができたのに… 君のせいにして、 罵ることができたのに。 “俺は振り回されて 騙されたんだ”って… こんな風に、 居た時のままにしておいて 戻ってくるつもりなの? いつもみたいに、 「ただいま!」と… 「ちょっと遅くなってゴメン」で 済ませるのかな。 そしたら僕は、 また、君を許すんだろう、きっと。 バカだなぁ、僕って。 まだ、嫌いになれないんだ、君を。 僕を騙して、 利用しただけかもしれないのに。 それでもいい。 帰って来るのを待ってる。 君の鍵は、 そのまま、 いつものフックに掛けてあるから。
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