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「レジーナ、誕生日おめでとう」
「レジーナ様、おめでとうございます!」
夫と使用人に囲まれ、流れるような金髪の持ち主の女性、レジーナは微笑んだ。
「どうもありがとう」
そして、目の前に置かれているケーキに目を移した。
「今年のケーキ当番はイリスとソルだったわね。とても素敵なケーキだわ。どうもありがとう」
レジーナの優美な微笑みは、二人にも向けられた。
「喜んでいただけて嬉しいです!」
「私も! イリスと頑張りました!」
「ええ。イリスは変わらず腕がいいわね。ソルもよく頑張ったわ」
「レジーナさまぁ……」
ソルは感動したのか、瞳をウルウルとさせてレジーナの手を握る。
「私、イリスがいたから頑張って作れたんです。イリスと私は、全部が全部正反対だけど、イリスが私のいいところをたくさん褒めてくれて、自信がついて、それで……」
感極まったのか、ソルが言葉を紡げなくなる。相変わらず涙もろいのだから、とイリスがソルの背中をさする。
「イリスもどうもありがとう」
「お礼には及びません。ソルの意気込みがすごかったですよ」
「ふふ、そうだろうと思ったわ。ソルがうまくできなくて困っていたらどうしようと思っていたけれど、イリスがペアでよかったわ」
「毎度振り回されているのですが……」
それもそれで楽しいです、と微笑むと、レジーナは嬉しそうに言った。
「相変わらず仲が良くて安心しました。さあ、二人の努力の結晶です、いただきましょう」
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