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な、なんだと!と怒りを表し出す。優雅さが消えてゆく。自分より身分が下のものに言われるのは身分をひけらかす公爵にとって一番我慢がならないことだろう。
畳み掛ける私の口撃と毒々しいお茶会になろうとは、公爵は予測していなかったらしい。
「私のお茶には毒なんて入ってませんわ。陛下が自ら選んでくださった希少な葉ですし、どうぞせっかくだから召し上がってください。この国の王と王妃からのものを口にできないことはないですわよね」
カップを持ち上げる手が震えている。人を信用していない男、毒を盛る男は自らに返ってきた時にどんな反応をするだろう?と思っていた。私は目をスッと細める。
カシャン!と額に汗をかいた公爵はカップを置く。口をつけれない。
「無理でしょうね」
私のその一言に、睨みつけるエキドナ公爵。尋常な人ならば怯えるほどの眼光。だけど私は怯えより怒りが勝っている。幼いウィルに……今までのウィルになんてことをしてきたのかと!許せるものでは決して無い。そして再び彼に手を伸ばそうとしている。自分の頭上に輝く王冠を載せたいがために。
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