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「どういうつもりなんだ?こんな名誉を傷つけるようなやり方をしてただで済むとでも思うのか!?」
怯えぬ私に動揺している。今まで自分の思い通りになってきた彼は予期せぬことには弱いようだとみた。
「ウィルの嫉妬を利用し、私から三騎士、またはセオドアの護衛を外そうとした。でもそれは叶わなかった」
変な噂を立てたのは紛れもなく公爵が仕掛けたことだと確信している。噂の元を辿り、調べればエキドナ公爵お気に入りの女性が流していたのだった。
「さらに毒蛇で私を脅すか殺すかしたかったのかしら」
「なんのことだろうか?蛇が逃げ出してしまっただけだったが」
「逃げ出した蛇を仕留めたのは私。それがお気に召さなかったのかしら。籠の中に入っていれば生きていられたのにね」
クスクスと笑って私はお茶を口にした。
「小娘がっ!たかだか男爵の位であり、商人出の平民が王家の血をもつ者に対して無礼だろう!後悔するぞ!」
ガタッと立ち上がる。顔が赤い。顏が赤くなったり青くなったりして忙しいことだわ。失礼する!と言ってお茶もお菓子も手をつけずに去っていく。
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