恋の季節はいつでもやってくる

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 せつなさすら込められている。いつも淡々とし、無表情だった彼からは想像もつかない。 「リアン様」  名を呼ばれてドキッとする。嘘寝だってバレてないわ……よね?気持ち良さげに寝ている演技は完璧だと思うの。大丈夫!大丈夫!と自分に言い聞かせて身動き1つしない。 「リアン様の傍にいて、いつも優しい眼差しで見守ってるあなたのことが好きです」 「もう仰らないでください。ただのメイドに身に余る言葉です。聞かなかったことにさせてください」  ずっと無言だったアナベルが答えた。  ま、まさか!!こんな所で恋が生まれていたなんてっ!!ホントは起きて、キャー!と歓声をあげたいくらい。  だめ!二人の会話を今は途切れさせちゃだめ!リアン、アナベルのために我慢よ!我慢!!  そう。私は気になっていた。  アナベルはセオドアのことが好きなのではないか?と思っていた。恋愛には疎いけど、アナベルの変化にはさすがに気づく私。
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