恋の季節はいつでもやってくる

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 最近、セオドアが護衛を外されてしまい、少し元気がなかったように思っていた。今日、セオドアが来て、以前のようにお嬢様!お嬢様!と私に声を上げることが多く、あれ?元気があるわね?と気づいたのだった。 「身分など関係ありません。陛下の影となり生きてるので、家とは幼い頃より離れてます。……愛人の子どもですから、いつ身代わりになってもいい者として王家に売られたのです」 「それでも、ただのメイドにセオドア様は相応しくありません。今の言葉は忘れて新しいお方を見つけてください」  アナベル!好きなのにそんな言い方しちゃだめ!私は口出しをしたくなる。しかしそれは余計なことだと思うので、ひたすら怠惰に寝てるふりを演じる。 「想いが叶うことはありませんか?」 「ありません。でもセオドア様のご無事をいつも願ってます。今回も陛下は危険なことに晒されているのではありませんか?」 「あなたもどうか無事でいてください。王妃様も狙われているでしょうから。……この想い、諦めません」 「セオドア様……」  ………なんなの!?この状況!?目を、目を開けて二人の表情が見たいのよおおおお!
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