花は自らを花と知らない

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「リアンは名前を覚えてるのか?」 「お会いした人はだいたい覚えてるわよ」  すごいなとオレは感心する。しかしリアンはなぜか今日はやけにキョロキョロと視線を動かしていて、周囲を警戒しているように感じる。何か気になることでもあるんだろうか? 「どうしたんだ?落ち着きない気がするんだが?」 「えっ!?えええっと……なんでもないわ……なんとなく、他の方の視線を感じちゃって……」 「視線?それはリアンが綺麗だからじゃないかな」 「ウィル!?さらっとそういうこと、いきなり言うのやめて!私のこと見ているんじゃないと思うのよ!気づかないの!?もう……あなたって、ほんとに鈍感なんだからっ!」  顔を赤くして恥ずかしそうにしている。照れ隠しに怒ってるのか?オレは首を傾げる。 「自覚がないのもある意味罪よね。なんなのかしら?こういうボーッとしているのは昔から変わらないんだから……会場に来てから女性達がこっち見て話してるの気づかないの?」  ブツブツ言っているけど、なんのことなのか、さっぱりだ。オレとリアンが会話をしていると、そこへコンラッドがやってきた。
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