帰宅してすぐに開いた手紙

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 勤め人になって五年目、私は海外出張先の東南アジアの某国から、久しぶりに実家に帰省した。 「ただいまー、お母さん」 「おかえり。わあ、焼けたわねえ。そういえばあんたに手紙来てるわよ」 「え、誰から?」 「男の人みたいよ。DMとかじゃないわねえ。今のご時世、わざわざ手紙くれるなんて、あんたこれどういうつき合いの人?」 「いや、ぜんっぜん心当たりないけど……」  封筒を受け取ると、高校の時の同級生の広岡くんからだった。 「広岡くん!? ええーなんだろう? ……あ、そうか!」  そういえば同窓会の誘いが来ていたけど、海外にいたものだから不参加にしたんだった。  同窓会は先週終わったはずだ。  その後に手紙をくれるなんて、結構珍しいことなんじゃないだろうか。  記念品でも送ってくれたのかな、と思いつつ封筒を開ける。  中には、手書きの、二枚の便箋が入っていた。 ■
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