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ふたりの思い出
夏とあたしは、ホラー映画が大好きだ。いつも怖そうな映画が上映されると、必ず一緒に観に行ってた。
「すげぇ怖いけど、超面白かった。」
あたしも行きたかったのに、夏は学校の友達に誘われて行っちゃったらしい。
「え~何で誘ってくれなかったのよ!」
夕食の時間に、新作ホラー映画について、ダディに話してた。ダディと夏、そしてあたしは、ホラー映画が大好きだった。子供の頃から、怖い癖に、一緒に観てた。
「だって、華怖がりじゃん。すぐ驚くし、こっち迄釣られて驚くんだよ。」
映画へ行くといつも夏の腕に掴まって、隠れ乍ら観てる。夏の部屋にはホラー映画のDVDがいっぱいあって、ダディと3人で週末に観ることも多い。幽霊とかエイリアンとか古い映画も良く観た。ただ、血がいっぱい出るヤツは、ダメだけど。
「あははは。確かに華ちゃんが、驚くとこっちもびっくりするよね。」
ダディは、夏に同意してたけど、3人とも基本怖がりだと思うんだよね。
ママは怖い映画が嫌いだし、パパは、くだらない。お化けや幽霊よりも人間の方が怖いですよ…ってのが口癖だった。
「クラスの男5人で行ったんだよ。華来れるわけ無いじゃん。」
…確かにそうだ。
「それこそ真啓誘ってみたら?凄く喜ぶと思うぞ?」
ダディとパパの視線が、あたしに向けられた。
「そーだ♩真啓ママのコンサートの時は、チケットとか、ご飯とかみんな出して貰っちゃったんだった。」
あらそうだったの?とママが笑った。
「うん。あたしも出すって言ったんだけど、じゃあ今度一緒に遊びに行くときは、華ちゃんが出してって言ってくれたの。」
なかなか真啓くんもうまいなぁ…と、ダディが笑ったのを、パパが、コホンと咳をして諫めた。
「帰りに中華街で、ご飯食べてくれば?この間テレビ一緒に観てた時、行きたいって言ってた店。」
あのお店は、僕と一緒に行くっ…と、パパが言いかけると、ママがちょんとパパを突っついた。
「真啓くんが、ホラー映画好きだと良いんだけど…。」
「絶対大丈夫。華と一緒なら、真啓は、パルクールだってすると思うよ?」
夏があたしの肩をポンポンと叩くと、ダディが、あはははっ…と、声をあげて笑った。
「何よ?あたしパルクールなんてしないわよ?」
すると今度は、ママとパパまで笑った。
♬*.:*¸¸
「ねぇ…どーゆー意味だと思う?家族みんなに笑われて、超~嫌な感じだった。」
あたしは、昨日の出来事をリツに話した。
「華さん…そーゆーことよ?」
リツはあたしの両方の頬を軽く摘んだ。
「あたしパルクールなんてしないし…あれ?真啓ってそーゆー趣味があったのかな?」
空が、机に突っ伏したまま笑った。
「マジかよ…。」
リツは、くるっと空の方を向いて言った。
「空くん…ふざけてると思うでしょ?でも”マジ”なのよ…この子。」
大げさに呆れているように、リツが、そういうと、空は、ずっと笑ってた。
♬*.:*¸¸
ーーー土曜日。
午前中は、真啓のピアノのレッスンがあるので、その後で遊びにいくことになった。
プラネタリウムへ行きたいと真啓が言ってたことを思い出した。
カップルや子供連れで混んでいたので真啓は、そっと手を繋いでくれた。
「気分転換にひとりで来るんだよ。」
今日は月に纏わる展示物ならしい。
「そうなの?」
「うん。宇宙は広いなぁ…僕の悩みなんてちっぽけだなぁって思うと、煮詰まってたことや、悩みが大したことないように思えるんだよね。」
「あたしは、星のことは良く分からないけど満月が好き。元気が貰える気がするから。」
「昔の人は、満月に豊饒性や豊作祈願をしてたって言うし、何か華ちゃんが言うようにパワーが宿ってるのかも知れないね。」
混み合う中で、あたしは真啓の腕にしっかりと掴まった。
昼間のプラネタリウムは、なんだが不思議な感じがした。
「僕の本当の父は、”お星さま”になったって、幼い頃から母から聞かされてて、子供のころは、今の父にせがんで良くプラネタリウムに連れてきて貰ってたらしい。」
「そうなんだ…。」
あたしは、家族が欠けることなんて怖くて想像できない。
「それでね、今の父に”どれが僕のお父様なの?”ってしつこく聞いて、困らせてたらしい。」
昔を懐かしむように真啓は笑った。
「真啓くんは、本当のお父さんが恋しい?」
あたしは、真啓の大きな背中をそっと摩った。
「ううん。写真でしか見たこと無いし、物心つく頃には、今の父が居たから…なんだか不思議な感じだよ。」
「華ちゃんこそ、ふたりのお父さんが居るでしょう?ふたりに会ったことはあるけど、僕には想像もつかないや。」
「うーん。変な家族とか、なんで弟と名字が違うの?とか、虐められたこともあったけど、ひとりのママと、ふたりのお父さんが当たり前だったから…。」
ホールが暗転したので、真啓の会話は途中で終わってしまった。
外へ出ると、眩しくて目が慣れるまで少し時間が掛かった。週末とあって、どこも混んでいた。
あたしと真啓は、当たり前のように手を繋いでいた。
「華ちゃんは、僕たちが最初に会った時のこと覚えてる?」
「ん~最初?ごめん覚えてない…かも。」
あたしは、以前真啓に言われるまで、正直すっかり忘れていた。
「華ちゃんが先で、僕がその後のレッスンだったんだよね。」
「うん。それは覚えてる。その頃から、真啓くんはピアノが上手だったもの。」
3歳からピアノを始めた真啓、あたしは6歳ぐらいとちょっと遅かった。
小さい頃は、人見知りが激しくて、とても習い事などに通える状況じゃなかったと、ママとダディが教えてくれた。
「華ちゃんを初めて見たとき、本当にお人形さんみたいに可愛い子だなぁって思ったんだよね。こんにちはって挨拶したけど、ピアノの下に隠れちゃって…。」
「え~最初から、そうだったんだ。」
…いつもパパやママの後ろに隠れて出てこなかったって、当時の大人たちはみんな言う。
「やっと何回目かで、ちょこっと手を振ってくれるようになって嬉しかったんだよ?」
「うん。挨拶するようになってからのことは覚えてる。発表会の時も、真啓くんの隣に座らされてた気がする。」
すぐに隠れちゃうし、泣いちゃうから先生も、物凄く困ってたと思う。
「確か集合写真とった覚えがあるんだけど…。一緒に手を繋いで写ってたのって…。」
真啓は、大きな目の可愛らしい男の子だった。周りの男の子達のように、いたずらもしないし、大きな声で脅かしたりしないし、話し方も静かで優しかった。
「そう僕だよ♪華ちゃんすぐ隠れちゃうから、真啓ちゃん手を繋いでてねって。」
薄っすらと覚えてる、遠い記憶。
「でも…その後突然来なくなっちゃって、先生に聞いたら辞めたって言われて、とっても残念だった。」
「知らなかった~。ピアノやってた時期って2年ぐらい?だったし、素敵で優しい男の子が居るなぁって思ってたけど、真啓くんと、夏が友達になる迄、すっかり忘れてたもん。」
「僕は入学した時、華ちゃんの顔と名前で、あっ!って思ってた。」
あたしは、真啓が覚えてくれていたことにちょっと驚いた。
「なぁ~んだ。そうだったの?早く声を掛けてくれれば良かったのに!」
「いつも、華ちゃんは女の子達と一緒に楽しそうにしてたし、話すチャンスが無かったんだよ。」
それでも、夏がすぐに真啓を紹介してくれて、実は小さい頃にふたりが出会ってたってことを教えてくれた。
「真啓くんの方こそ、どちらかと言えば、女の子達に騒がれてたじゃない。今もだけど…。」
真啓は、特に文系の女の子にとても人気があった。
「そんなことは、無いよ。女の子の友達は、華ちゃんだけだよ。」
真啓は、あたしをじっと見てた。
「華ちゃんは?」
「一緒に出掛けるのは、夏か、真啓くんだけだよ。」
「空くんは違うの?」
その名前を聞いて、きっとあたしの眉間には皺が寄ってたように思う。
「なんで空?違うに決まってるじゃん!!」
「いつも仲良くしてるから…僕はてっきり…。」
「嫌だぁ…どこが仲良くしてるようにみえるのよっ!!アイツったら二言目には茶化したり、貶したりしてくるし、夏の3倍ぐらい意地悪なんだから。」
「なんか…夏くんも、ついでに巻き込まれてる…。」
真啓は、くくくっと小さく笑った。
まだ映画まで少し時間があるので、コーヒー・ストアへと入った。
ウィンドー側のカウンター席に、ふたりで並んで座った。身長は全く違うのに、真啓と座ると視線の高さがほぼ同じになって、逆に違和感を感じた。
「父に、将来医者とピアニストになりたいって言ったんだ。」
「そう。そしたら真啓パパなんだって?」
「華ちゃんに”どちらか選べないなら、どちらもすれば良いじゃない?”って言われたって話したら、そりゃそうだって笑われたよ。多分華ちゃんと父は、話が合うと思うよ。いつか家族に紹介したい。」
「うん。真啓くんのパパなら、きっと優しい人達だろうから、会ってみたいな。」
映画館へと向かう道すがら、真啓のクラスメートに偶然会った。
「お~真啓♪デートか?」
顔は知ってるけど、話したことも無い男子だ。あたしはこんにちは、と小さく会釈した。
「…だと良いんだけどね…残念ながら違うよ。またね♪」
真啓は、笑ってすぐ別れた。
「真啓ファンに、見つかったら怒られちゃう。」
夏、真啓、空には、それぞれファンが居る。ファン層も学年も異なるし、眺めているのは面白かった。
「ファンなんて居ないから大丈夫だよ。」
真啓は、ちょっと恥ずかしそうに笑った。
映画館で量り売りのキャンディとグミを買った。
「わ~アメリカのキャンディ・ストアみたい♪懐かしいなぁ。」
カラフルで毒々しい色と、香りを放つお菓子をあまり買って貰えなかったから、つい食べてみたくなる。あたしは、少しだけ買って、真啓にもあげた。
「日本のと違って、グミ…硬いんだね。」
不思議そうにコーラ味のグミを真啓は食べた。
「これね…ダディと夏がこっそり買って、ママに見つかって怒られたことがあるの。あたしも食べたかったのに、その時は食べられなかったんだ。」
あたしと、夏が小さい頃に、ママとダディで長い間アメリカで暮らしてた。パパは、日本での仕事が忙しかったらしく、家族がバラバラだった期間がある。
映画が始まると、あたしは夏にやるように、真啓の後ろに隠れた。
あたしが怖がるたびに真啓が笑った。
…だって怖いんだもん。
…さすがにコンサートと違って寝ないんだね。
夏が言ってた通りとっても面白かった。
「華ちゃんが、ホラー映画が好きだって、夏くんに教えて貰うまで、知らなかったよ。」
「つき合わせちゃってごめんね。」
「ううん。面白かったよ。夏くんが行けない時は、僕を誘ってね?」
「ホント?!良いの?」
「うん。勿論だよ。」
中華街は、夕食時で人がいっぱいだった。
「パパと来ると、いつもここで肉まんを買うの…でも食べきれないんだよなぁ。」
美味しそうな香りに惹かれて、江戸清の肉まんのお店の前までやってきた。
「じゃあひとつ買って半分こにしよう♪」
真啓が、ひとつ買ってくれた。あたしがもつと、顔が隠れるぐらいの大きさだけど、パパと同じで、真啓が持つと小さく感じて笑ってしまう。
「うん♪」
真啓が上手に、半分こにしてくれた。良い香りとともに、白い湯気が上がった。
「熱いから気を付けて…。」
ほかほかと柔らかくて、もうそれだけで幸せな気分になった。
「うん。」
真啓とふたりで、夜に出歩くのは、コンサートを含めて2度目だ。
「家族以外と、夜に出歩いたことが無いから、なんかワクワクする。真啓くんは?」
「夏期講習とか、ピアノのレッスンで遅くなることもあるけど、華ちゃんとだと楽しい。」
「あたしも~。真啓くんと一緒にお出かけ楽しい♪」
ふたりで何枚か写真を撮った。真啓の方が腕が長いので、とっても良い角度で撮れた。
テレビでやってたお店は、少し混んでた。
あたしは麻婆豆腐、真啓は、蟹の餡掛け炒飯とっても美味しかった。水餃子が、どうしても食べたくて、でも食べ切れそうに無いからと、二個だけ貰ってあとは、真啓が食べてくれたけど、その後も真啓は、杏仁アイスクリームまでしっかり食べてた。
「華は、食いしん坊って聞いてたのに、そんなに食べないんだね。」
真啓が、笑った。
「もう…お腹いっぱい…苦しいぐらい!」
あたしのことを食いしん坊ってみんな笑うけど、夏も、空も真啓も、あたしの3倍はいつも食べてる。
「ねえ…華ちゃん。ちょっとここか遠いけど、一緒に観覧車乗らない?」
「うん♪乗ろう!乗ろう!」
あたし達は、急遽タクシーに乗って、大きな観覧車迄やってきた。
「華ちゃんは、これ乗った事ある?」
「一度ママと、夏で来たことがあったみたいだけど、あたし怖くて、ずっとママに抱きついてたって。全然覚えてないの。」
だいぶ昔のことだ。ママがずっとあたしのことを抱っこしてくれてた。
「そっか…父が、横浜行くなら、夜景が綺麗だから乗ってごらんって。」
「へぇ~。ちょっと高さがあって怖そうだけど、乗ってみよう♩」
メインの列とは、別の列へと進んでいく。
「ちょっと待つけど、シースルー・ゴンドラに乗ろう♩」
何台かに一台が、降りてくるけど、本当に透明なガラス張りの様なゴンドラだった。
あたしが、おしゃべりしている間に順番が来た。主にしゃべってたのは、あたしで真啓は、にこにこ聞いてただけだけど。
観覧車はゆっくりと上に上がっていく。
「わ~綺麗ね。」
ランドマークタワーから3つ横並びの建物は、横浜観光スポットでも紹介されてた気がする。
高さが出てくると少し風で揺れる様な気がして怖い。遠くを見ている時は良いけど、足元を見てるとくらくらする様だった。
「隣に座っても良い?ちょっと怖い。」
向かい合わせに座ってたけど、真啓の手に導かれる様に隣へさっと移動した。
「真啓くんは、怖く無いの?」
怖いけど綺麗で、気付かないうちに、真啓としっかり”恋人繋ぎ“しちゃってた。
「うん。別に怖く無いよ。綺麗だなぁと思って。」
真啓は、じっとあたしを見てた。
「あ!一緒に写真撮らない?反射しちゃって撮れないかなぁ」
何枚か撮ってやっと綺麗に撮れた。
「ねぇ華ちゃん。また一緒に出掛けない?」
「うん♩良いね。今度は昼間にリツと夏も誘って来よう。あ~でも夏は、わざと揺らしそうだし、嫌だな。」
真啓は、くすっと笑った。
「何?」
「僕は、華ちゃんと一緒に居ると、楽しい気分になれるから、好きだよ。」
「うん。あたしも真啓くんと居ると、ほっとするし楽しい。」
あたしも自分のスマホを出して、試しに何回か撮ってみたけど、やっぱり真啓に撮って貰った方が、綺麗に撮れてた。
「ははは…華ちゃんには、かなわないや。」
てっぺんに来ると、真っ暗な海側に三日月型のホテルが綺麗に見えた。
「華ちゃん…これホワイト・デーのお返し♩ちょっと早いけど。」
真啓は、細長く小さな包みをくれた。
「わ~とっても嬉しいけど、別に良かったのに~。今開けてみても良い?」
「勿論だよ。」
中には、白いパー⚫︎ーのボールペンが入ってた。筆記体でHana Imaizumiと銀色の文字で名前が入ってた。
「とっても素敵ありがとう~。大切に使うね。」
真啓からお返しを貰えると思ってなかったので、とっても嬉しかった。結局ご馳走するつもりが、真啓もプラネタリウムや、コーヒーやタクシー代など払ってくれたので、お金を渡そうとしたけど受け取ってくれなかった。
帰りはダディがふたりを迎えに来てくれる予定だった。
それまで、周りをゆっくりと散歩した。
「父がこの周辺の病院に勤めてたから、色々お勧めを教えてくれたんだ。」
観覧車を降りたあともずっと、あたし達は手を繋いでいた。
(着いたよ~)
ダディから。メッセージが来た。
「お迎え来たって♪」
車が停まってる場所まで、ふたりで歩いた。
ダディは車の外に出てあたし達を待ってた。
「さあふたりとも乗って♪」
あたし達が、手を繋いでるのをちらりとみた瞬間、あたしは手を緩めたけれど、手を握る真啓の手にきゅっと力が入った。
…真啓?
あたしが思わず見上げると、恥ずかしそうに笑ってた。
車に乗って暫くすると眠くなってしまった。
あたしは思いっきり真啓に寄りかかって寝てたらしい。
ふたりに起こされてはっとした。
ダディは、真啓のマンション前に車を止めた。
「真啓くん。今日はとっても楽しかった。どうもありがとう。」
「僕もだよ…華ちゃんのお父さん、送って下さりありがとうございます。」
「いいえ。真啓さんもありがとね。また家に遊びに来てね。」
「はい。」
あたしとダディは、真啓がマンションのエントランスに入るまで見送った。
♬*.:*¸¸
週明けの学校。
「映画ひとりで行ったの?」
リツが聞いてきた。
「ううん。真啓くんと行ってきたの。」
「えっ?!」
…そーいえば、急な事だったから、リツに詳しく話して無かったかも?
「それで?」
「プラネタリウムへ行って映画観て、中華街でご飯食べて、観覧車乗ってきた。」
リツは眼を見開いて、口を手で隠し大袈裟に驚いた…と言うより振りをした。
「華様…それは…もしや…。」
「もしや?」
「デートというものでは?」
「えええ~違うよ。映画に付き合って貰っただけだよ。」
あたしは、ほら…と言って、リツに何枚も撮った写真を見せた。
「楽しかった?」
「うん。あたしが喋ってばっかりだったけど。」
「手を繋いだり、キスしちゃったりした?観覧車なんて密室でしょ?」
「う~ん。手を繋いだって…リツはあたしが、人混みの中歩いたりするの苦手だって知ってるでしょ?」
あたしとリツは、何処かへ行くと、大抵腕を組んで歩いてた。あたしがすぐに道に迷ってしまうから。
「キスは?」
「嫌だ…する訳無いでしょ?ただの友達なんだから!」
自分の耳が赤くなるのを感じた。
「ただの…友達…ねぇ。」
リツは、あたしの顔をじっと見つめてた。
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